勝負砂古墳第5次調査 概要報告

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 W 結語

 今回の勝負砂古墳の調査では、真備地域における「雄略朝」期とそれ以後の吉備地域の動向を解明するための多大な成果が得られた。それらについては、両古墳の調査成果におのおの記したとおりである。これまでの天狗山古墳や二万大塚古墳の成果と考え合わせることによって、真備地域の古墳展開過程が具体的に解明されつつあるといえる。
 勝負砂古墳の正確な年代と内容の解明は、当初の予想以上に困難である。きわめて深い位置にある埋葬施設の確認や、改変著しい墳丘形態の復元は難しい課題であるが、地元の地域や自治体、県内の諸機関や県内外の研究者との密接な協力関係を構築しながら、目的の達成に向けて努力を重ねたい。                                                   (松木)